キーノート

体力温存の為に高いけど会場で昼食をすませ、そこら辺に座ってリポート書き。そしてキーノート会場へ。っていうか、キーノートに観るのは初めてだったりします。っていうか目当てはジョージ・ルーカスです。

キーノートではACMバイスプレジデントの冒頭のスピーチで「ようこそ、世界最強の州知事がいるカリフォルニアへ」って言うのを聞いて最初は何のことか判りませんでしたが、カリフォルニア州知事がアーノルド・シュワルツェネッガーだったことを思い出して納得。

SIGGRAPH AWARDではSignificant New Researcher AwardにRon Fedkiw氏、Computer Graphics Achievement AwardにはJos Stam氏が選ばれました。二人とも私が最初にSIGGRAPHに参加した時に感銘を受けた人達だったので嬉しかったです。そしてSteven A. Coons Awardは西田友是氏が受賞。氏はラジオシティ法の開発者として有名ですが35年以上前からCG研究を続けている先駆者の1人です。氏のスピーチの中で最初に氏がCG研究を始めた頃はカラーモニターどころかモノクロモニターがようやっと出回った時代でモニタの変わりにプリンタで計算結果をプリントしてたそうです。論文も奥さんに手書きで書いてもらったそうです。っていうか考えてみるとZ80も8086もPCも出ていない時代でコンピューターの計算能力は今と比べると絶望的なくらい非力なものだったでしょう。そんな状況から研究をずっと続けてきた氏には心からの敬意と賞賛を贈ります。

 

続いて、ジョージ・ルーカス氏のキーノートスピーチ。最初に氏の功績を紹介するビデオが流れた後に氏が壇上に現れると前の方ではスタンディング・オベーション&カメラのフラッシュの嵐が1分近く続くという大人気でした。スピーチはトーク形式で行われました。

まず最初に、もしジョージ・ルーカスがスターウォーズでコンピューターを使った特殊撮影をしていなかったら、CGIを使った映画がなかったかもしれないし、会場に居る人達の仕事は無かったかもしれませんというのを皮切りに、どういった経緯で常に新しい技術を取り入れているのか?という質問に対してルーカス氏は技術とアートは等しく重要なものと前置きし、新しい技術を取り入れるというより、まず始めに新しい映画の見せ方があり、それを実現するために新しい技術が生まれるに過ぎないと答えました。

ルーカス「こういうのがやりたい」
技術者「それは不可能です」
ルーカス「じゃあ、どうやったら実現できるか考えてくれ」

と、いったどこにでもありそうなやりとりがあるそうです。新しい事を実現する為には、技術力の高い技術者が必要なのは当然なのですが、ルーカス氏の「私は技術者がなにをしているかには興味がない、ただ彼らがその仕事をやってくれることを神に感謝するだけ」という言葉から思うのは、干渉されるのを嫌う技術者に対しての信頼が技術者のモチベーションアップにつながり、結果的に新しい技術が生まれる要因なのではないのでしょうか?

またゲームの将来についての質問に対して、ゲームに話しかけるとゲームが話し返してくるようになればFPSが氾濫しているゲーム市場にとってのパラダイムシフトになるのでは?と答えました。ここは聞き手にもうちょっと突っ込んで欲しかったのですが、サラッと流されてしまい残念でした。

最後にこれからの映画業界について視覚効果技術は特別なものだったのが、あたりまえの基礎的な技術として使われるようになる成熟の時期になるだろうとして締めくくりました。

キーノート会場から出て、次のコースの場所に行く途中のホールには沢山の人が居ました。殆どの人がキーノートから帰ってきた人達だと思われますが、こんなに沢山の人達でホールが溢れるのは初めてみました。米国でのジョージ・ルーカスの人気の高さの一端なのかもしれませんね。

前へ 次へ